カットソーこそ、そのひとの“こだわり”が出るから

小林 文( editor )

2025/04/11


ノンストレスな着心地とスマートなデザインで、目の肥えたファッション業界の皆さんにも愛用者が多いgicipi_

実際に愛用いただいている方の生の声やコーディネートを取材し、不定期更新でお届け致します 




―カットソーこそ、そのひとの“こだわり”が出るから

先日、出かけるエレベーターの鏡で身なりを整えながらふと、「私、どんどんシンプルになってきたな」と思いました。

3同じデニムでも気にならないし、毎日スニーカーでも構わないし、もう何年もヘアカラーをせずに黒髪でいるし。「シンプル」=「丁寧な暮らし」と結びつけられる時代もありましたが、うーん、そういうことが目的ってわけでもなくて。

かと言って、ファッション熱が低くなったわけでもないのです。仕事柄、毎シーズン各ブランドの新作を見たり、説明をきいたりするのは「ふむふむ」と興味深いし、新しい服を買うとホクホクするし。

 ただ、ファッションに対しての熱は同じでも、意識には変化があるかもしれません。思い返してみると、20代後半でこの仕事をはじめたときは、「こういうキャラに見られたい」とか、セルフブランディングで服を選ぶことが多かったような気がするけれど、今はそういうのが全然ない(笑)。

 それは、エディターとしてメインで携わる媒体が変わったからというのが大きな要因で、かつては「服」=「コミュニケーションツール」として見て書くことが多かったのに対し、ここ数年は「服」=「服」として魅力を伝えることが仕事になりました。

 元々単純に「服」が好きなので、いまの感覚はとても性にあっていて、かつ気楽。だからシンプルになったのだ!と、ここまで書いて、自分で納得しました。(皆さん、私のひとりごとに長々とお付き合いいただき、ありがとうございます)


さて、急に本題です(笑)。

 シンプルだからこそ、セルフブランディングに興味がなくなったからこそ、「服」へのこだわりはより強め。その代表が「カットソー」です。



カットソー【PETROLIO(ペトローリオ)/¥8580(税込)(サイズ:フリー)

クルーをそのまま広げたようなボートネック、ゆとりのある袖口・身幅、そしてクロップド丈。着てみると、全部のバランスがいいことにハッとするロンTです。全体的にゆったりしているけれど、丈は短めでつくっているから、ほどよく緊張感があるのがポイント。

カットソー【PETROLIO(ペトローリオ)/¥8580(税込)(サイズ:フリー)
その他/私物

 チェーンネックレスがのぞく首元、肩の骨が浮き出ることで、実際よりマイナス1.5kgくらい体が華奢になった気分(気分だけ)。丈が短いとはいいつつ、おなかが見えるほどではない。チノパンとテンションが合いながら、ズルズルにはならないバランスに保てます。これとは逆に、ピタピタのリブタイトスカートにもしっくりきそう。さらさらとしたコットンで、洗濯後もパッパッと軽く振ってから干すだけで、アイロンは不要です。




カットソー【CALCIO(カールチョ)/¥7480(税込)(サイズ:フリー)

こちらは大好きな細リブシリーズ。もはや、私のクローゼットに欠かせないシリーズです。

ブツ撮りで見るとびっくりするほど細いのですが、伸縮性がすばらしいので、着てみると体にピタッ!とってもやわらかいコットンなので、締め付けられたり息苦しかったりはナシ。

着心地の良さは過去何枚も着てきた実績があるためもちろん知っていたのですが、今回ツボだったのは袖のデザイン。90年代を思い出すようなフレンチスリーブです。


カットソー【CALCIO(カールチョ)/¥7480(税込)(サイズ:フリー)
その他/私物

肩はしっかり包み隠す、ノースリーブ以上半袖未満。正面から見ると斜め45度くらいの線が二の腕にピッと引かれるので、腕がシャープに見えるのです。全体的にコンパクトですが、丈はしっかり長め。ボトムにインしてそのままずり上がってくることはありません。

カーディガンは同じシリーズのもの。去年か一昨年か忘れてしまいましたが、定番のシリーズをずっと出してくれるので、時を経てアンサンブルのように着ることができるのも、gicipiのいいところ。



カットソー【SPIGOLA(スピーゴラ)/¥8030(税込)(サイズ:3.4.5

毎シーズン、メンズのほうもしっかりチェックしております。今回イチオシなのは、このノースリーブ。生地はいちばんめに紹介した長袖のものと同じ、ほんのりハリがあるコットン100%のジャージー素材なのですが、サイズが大きいぶん、こちらのほうがドレープを感じます。

カットソー【SPIGOLA(スピーゴラ)/¥8030(税込)(サイズ:4その他/私物

メンズのサイズ展開は3.4.5とあって、私が着ているのは4。しっかりおしりが隠れる丈。ここまでちゃんと隠せたら、ピタピタのレギンスを履いても安心。こちらもフレンチスリーブですが、脇周りがゆったり大きくあくので、リブのフレンチスリーブとはまた別のテンションです。

全体的に大きなつくりでも、クルーネックが詰まっていること、リブの切り替えが太めであることで、メリハリのあるカットソー。白のトップスのなかにあえて黒のベアトップを仕込み、レギンスの色と揃えて一体感を意識。短いソックス×VANSのオーセンティックで懐かしいコーディネートがいまの気分です。



今回はここまで。

毎シーズン、クローゼットに少しずつ追加されていくgicipiのカットソー。そのひとつひとつが、私のシンプルを支えてくれる、大切な「服」です。




【profile】
小林 文(editor)
1985
年愛知県名古屋市生まれ。エディターとして『GISELe』をはじめ女性誌やweb媒体等でファッションページを担当。またお笑いライターとしても活動。仕事のおともはもっぱらラジオ。2022年に出産し、一児の母。Instagram(
https://www.instagram.com/kobayashi_bun/ )では、子連れ旅の様子や日々のコーディネートを更新中。